デジタル成果物を効率的に管理・配信する2つの自作システム

今回は、動画や画像といった「デジタル成果物」を効率よく生成し、スムーズに流通(配信・管理)させるための独自の仕組みについてお話しします。

日々増え続ける大容量データをどのように安全かつ柔軟に扱うか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

詳しい解説は以下の動画にまとめていますので、まずはぜひこちらをご覧ください。

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(00:00:00) デジタル成果物の生成と流通
(00:00:06) それではですね、デジタル成果物の生成と流通ということについて、お話します。
(00:00:17) 今日はですね、2つのシステムについて説明します。
(00:00:23) 1つはですね、マイライブラリですね。もう1つは棚田式ファイル管理です。
(00:00:32) で、マイライブラリですけれども、これは以前にも一度紹介してますが
(00:00:41) Dropboxによる製造工場、この中で作られたメディア配信物、
(00:00:50) 動画だとか画像、VTT、書類、いわゆるウェブ配信で使う素材ですね。
(00:01:00) 工場からすれば成果物、配信用の成果物を作って、それを動画・画像配信所に渡して、
(00:01:10) リクエストに応じて、それを表示するという形ですが、
(00:01:17) その時に動画配信所はですね、いくつも複数用意できるという仕組み、
(00:01:25) 複数用意した配信所を自由自在に切り替えれるという仕組みですね、それを作ったわけです。
(00:01:33) それともう一つの棚田式ファイル管理システムというのはですね、ファイル管理のシステムです。
(00:01:41) ただ、通常言われるNASによるファイル管理というのはですね、
(00:01:49) 同じサイズのハードディスクを2つ用意して置かなきゃいけないと。RAID 1の場合ですね。
(00:01:57) しかもそのフォーマットが特殊なフォーマットになってるので、
(00:02:05) そのハードディスクだけ引き抜いて、パソコンにガチャンと付けてデータを読むとか、
(00:02:14) そういうことができないわけですね。一番いいのは、いつもMacやパソコンに付けている
(00:02:22) ハードディスクやSSDと同じように、パコッと抜いて、
(00:02:30) 他のパソコンやMacに挿してすぐデータが読める状態になっていれば一番いいですよね。
(00:02:38) そういう形にしたいということ、つまり、簡単にデータを移行して、
(00:02:46) それをそのまま別に転用ができるということですね。そういう使い方がしたいわけですよ。
(00:02:54) ハードディスクが高価になっていくというところに対応していく必要もあるし、
(00:03:02) 使わずに残っているハードディスクを有効活用するということもあるわけですね。
(00:03:09) 自由にデバイスをファイル管理用に使えるという仕組みを作ったわけです。
(00:03:18) それが棚田式ファイル管理システムです。構造的には一番上に作業段、
(00:03:26) 通常作業するために使う工場のような場所、それから完成したものを保存する保管段、
(00:03:34) さらに保管段のうち、長期になったものを長期保管段に移行する仕組みを作りました。
(00:03:43) この2つのシステムは両方ともローカルのMac mini上で動いているという優れものでございます。
(00:03:55) このマイライブラリと棚田式ファイル管理の共通点なんですけども、これはこういうことなんです。
(00:04:11) 両方ともメタデータの変更に基づき、実体データを操作するという特徴があります。
(00:04:26) 棚田システムの方は、メタデータを移動することによるシミュレーションを何回もやって、
(00:04:35) その各デバイスの容量、中身をコントロールするということをシミュレーションしていくと。
(00:04:45) そのことによって実体データの移動のミステイクを事前に防止してるわけです。
(00:04:52) それともう一つのマイライブラリの方ですけれども、これはメタデータ、動画や画像の属性ですね、
(00:05:01) それをスプレッドシートの中に登録していきます。で、その属性に応じて、
(00:05:09) ファイルが移動したり、再生サーバーを変更したり、そうした操作が行われると。
(00:05:16) いう仕組みですね。
(00:05:24) メタデータの変更に基づき実体データを操作するというところが、この2つのシステムの共通点です。

動画で紹介している2つのシステム

動画内で解説しているのは、私がローカルの Mac mini 上で構築・稼働させている以下の2つのシステムです。

1. 配信を自由自在に操る「マイライブラリ」

Dropboxをデータの「製造工場」として活用し、ウェブ配信用の素材(動画、画像、VTT字幕、書類など)をシームレスに配信所へ渡すシステムです。

  • 複数の配信所を管理: 複数の配信サーバーを用意しておき、リクエストや用途に応じて自由自在に配信先を切り替えることが可能です。

2. NASの弱点を克服する「棚田式ファイル管理システム」

一般的なNAS(RAID構成など)は、専用のフォーマットが必要なため「HDDを直接取り外して別のPCですぐに読み込む」といった物理的な使い回しが難しいという弱点があります。そこを解決したのがこのシステムです。

  • 抜き差ししてすぐ使える: 一般的な外付けHDDやSSDと同じ感覚で、パコッと抜いて他のPCやMacに挿せば、すぐにデータを読み込めます。
  • 階層型(棚田式)の管理: データを「作業段」「保管段」「長期保管段」という3つの階層に分けて管理。使わず眠っている古いハードディスクも有効活用できます。

2つのシステムに共通する「最大の秘密」

用途の異なるこの2つのシステムですが、設計の根底には共通する重要なコア技術があります。それは、**「メタデータの変更に基づき、実体データを操作する」**という仕組みです。

  • 棚田式システムでの活用:
    いきなり重い実体データを動かすのではなく、まずは「メタデータ」だけを移動させるシミュレーションを何度も実行します。これにより、移動先の容量オーバーや操作ミスを事前に防ぐことができます。
  • マイライブラリでの活用:
    スプレッドシートに登録した「属性(メタデータ)」を書き換えるだけで、それに連動して実際のファイルが自動で移動したり、再生サーバーが切り替わったりします。

    もともとマイライブラリは、図書館をイメージしていて、図書館の本は質量のある物体のため、それぞれの図書館に受付窓口が必要になりますが、メディアアセットは、質量のない、ほぼ瞬間コピー、瞬間移動ができる存在であるため、図書館カードのようなメタデータは1箇所に集中することができるわけです。その1箇所でメタデータを変更することにより実体データを操作できるわけですね。

まとめ

大容量のハードディスクが高価になっている今、手元にあるストレージをいかに安全・確実、そして無駄なく使い切るかは大きなテーマです。

「メタデータによる実体データの制御」を取り入れることで、日々のクリエイティブ作業やデータ管理は驚くほど快適になります。ご自身のファイル管理や配信のヒントにしてみてください。