ガラポンTV参号機を使い続けることにした〜<その3/3>IPv6オプションWiFiルーター及びガラポンTVの設定

ガラポンTV参号機

2014年3月から使い始めて5年半になるガラポンTV参号機だが、ネット環境及びWiFiルーターを変更して、このまま使い続けることにしました。その検討から設定作業の完了までを、紹介します。


やっぱり、ガラポンTVを直そう。

WiFiルーターの選択について、回線業者はドコモ光で、プロバイダはBIGLOBEという条件に相性がいいと思われる Aterm WG1200HS3 を新調することを決めたとき、BIGLOBEのIPv6オプションなるものがあることを知りました。
そこで、何かモヤモヤした気持ちがよぎりました。


「NTTのIPv6プラスと、BIGLOBEのIPv6オプションと、どう違うのだろうか?もし同じなら、ガラポンTVの宅外視聴が、出来るようになるかも知れない・・・」

「しかも新たに余分なお金がかかるわけではない。渡りに船。」

結局、それほど背伸びをするつもりはないです。今レベルのリソースの範囲なら問題ないです。よく似た商品にArecX6があることも分かりましたが、そこまで手を伸ばすつもりはありません。ガラポンTVの復活、改善という範囲で十分です。

そんなわけで、具体的に取り組むこととしました。

順番としては、先にルーターの設定を行なう、次にガラポンTV側の設定を行うのが、分かりやすいと思います。

Aterm WG1200HS3

ガラポンTVに関して、事前に必要な情報は、2つ。

先にWiFiルーターの設定を行うのですが、その時、ガラポンTVの特有な条件を予め調べておくのがミソです。

それは2つあります。

<事前に入手する情報>

1.ガラポンTV本体のレジストリーキー(=MACアドレス):
→これは、ガラポンTVの底面に、貼ってあります。12桁の英数字、例えば [001FCF******] です。

2.ガラポンTVが使用を許可する、変換対象ポート番号 :
→これは、ガラポンTV参号機、四号機、伍号機については、<
ポート番号の指定について>に書かれています。
具体的には、
1) プロトコル:TCP 宛先ポート番号:80 変換対象ポート番号:49152~65535
2) プロトコル:TCP 宛先ポート番号:443 変換対象ポート番号:49152~65535

です。とりあえず、難しく考えないで、調べておきましょう。

それでは、具体的な作業に入ります。

0. プロバイダBIGLOBEに、IPv6オプションを申し込む。

BIGLOBEで、IPv4 over IPv6を使用できるように、ネットでIPv6オプションを申し込みました。即、使えるようになりました。

1. ルーターの設定をする。

製品の箱に入っている「つなぎかたガイド」を参考に、WG1200HS3を立ち上げます。パソコンから以下のアドレスを入れて、ユーザーに admin , 本体背面に添付されたWeb PW を入力して、クイック設定Webを立ち上げます。

http://192.168.10.1

クイック設定Webの画面

「基本設定」と「詳細設定」だけを使います。

WG1200HS3で必要な作業は下記の5ステップありますが。間違えやすいのは(5)です。

具体的に、画面を見ながら説明します。

1)基本設定:
自動判定をONにして動作モードがIPv6オプションが選択されていることを確認します。そうでない場合は、自動設定をOFFにして、動作モードのIPv6オプションを選択します。

基本設定

(2)詳細設定→IPv4LAN側設定:
DHCPサーバをONにします。 

IPv4LAN側設定

(3)詳細設定→IPv6LAN側設定:
DHCPv6サーバ機能を「使用しない」にします。
※実は「使用する」であっても、ガラポンTVの宅外接続は正常に動いています。何が影響するか不明なので、ここでは「使用しない」を選択することにしておきます。

*’20.2.22現在:「使用する(stateless)」で運用して様子を見ています。

IPv6LAN側設定

(4)詳細設定→DHCP固定割当設定:
ここで前述した、ガラポンTVの情報が必要になります。
それは、 ガラポンTVのレジストリーキー です。本体の底面に貼ってありますので、確認してください。
そのガラポンTVのレジストリーキー=MACアドレス 001FCF******に対してIPアドレス、例えば[192.168.10.105]を固定割当します。
※ガラポンTVのレジストリーキーは、連続した英数字になっていますが、MACアドレスとしては、これを2桁ずつ区切って、[xx:xx:xx:xx:xx:xx]の形式で入力します。

※表の下段の方の赤い目隠しは、ガラポンTV以外で、IPアドレスを固定割当している機器ですので、ここでは無視してください。

DHCP固定割当設定

(5)詳細設定→ポートマッピング設定:
さあ、ここからが最重要ポイントです。
ガラポンTV側で使用許可しているポート番号と、IPv6オプションの下でWG1200HS3が使用許可しているポート番号を照合して、双方で使用できるポート番号を2つ選びます。

<1>さて、前述しましたように、
ガラポンTV側で許可されているポート番号は、
プロトコル:TCP 宛先ポート番号:80 変換対象ポート番号:49152~65535
プロトコル:TCP 宛先ポート番号:443 変換対象ポート番号:49152~65535

です。

<2>それに対して、WG1200HS3が、IPv6オプションにおいて、使用許可している、私固有のポート番号は、以下の表の範囲(※1)になりますが、<1>のガラポンTVで許可されている範囲は、赤く囲った部分になります。これに基づき、

私は50576と54672を選ぶことにします。

※1:下表のように利用可能ポートは、1マス16個×15マス=240個になっています。これはMAP-E方式によるIPv4 over IPv6 (BIGLOBEで言うIPv6オプション)では、従来のIPv4の一人の利用可能ポート数61,440個を256人に配分する、61440÷256=240個/人、これを、あるロジックに基づき、ポート番号に割り当て計算された結果であり、契約者に与えられたIPv6アドレスと一意に対応するようです。おそらく私固有の番号になります。蛇足ですが、これを使えば、自宅サーバーが公開できるように思えます。

下のNATエントリー追加、を行います。

ポートマッピング設定

<3>NATエントリ追加を行った結果が以下です。

ポートマッピング設定(IPv6オプション)エントリー結果

以上で、WiFiルーターAterm WG1200HS3の設定は完了です。

2. ガラポンTV側の設定をする。

ガラポンTV側の準備は、このガラポンTVセットアップマニュアル に従って行います。かなり丁寧に手順が書かれていますので概ね順調に準備が進むと思います。

大問題! 10.ポートフォワード設定のところの、ポートフォワード設定ページのリンクを開けて見ると、中身が消えています。
パニックになりそう。
落ち着きましょう。

<1>
ガラポンTVサイトの、ポート設定の初期値は、50080と51935になっています。しかし上の(5)で説明したように、この番号は、IPv6オプション(IPv4 over IPv6)によるこのWiFiルーターの、私の利用可能ポートには含まれていません。

ガラポンTVに対する初期登録の時点で、ポート設定の場面がやってきます。
その時、自動設定のまま放置しないでください。
手動設定にて、1.(5)<2>~<3>で設定してください。
この例では、私は50576と54672
を入力することにします。

※後でも下の画面から変更できます。私はおそらく後日変更します。

<2>
ガラポンTV端末のIPアドレスを固定します。ガラポンTV側の、ネットワークの設定→静的IPを設定するを選び、上記1の(4)で割当てた、192.168.10.105を設定します。

ガラポンTVサイト ユーザ情報ページ

個人で設定する場合、上記が一番知りたい部分になります。今回のブログで、ご紹介したいのは、この、分かりにくい部分に対する、一つのソリューションです

最終的に、外出先で、「宅外接続」が確認できればOKです。iPhoneの場合は以下の画面です。設定が正しくても、OKになるまでに時間が掛かります。試しに、ガラポンTVを再起動してみると分かりますが、私の場合、15分程度掛かります。

iPhoneのアプリの画面

ポートの変換は、メーカーによって、ポートフォワード設定、ポートマッピング、静的マスカレード設定など様々な呼び名になっていて、非常に分かりにくいです。しかも頻繁にモデルチェンジがあり追跡が大変です。WiFiルーターはIPv4からIPv6への移行期にありまして、IPv4 over IPv6の対応方法も、プロバイダによりこれも様々な呼び名になっていますし、利用可能なポートもプロバイダ(あるいはメーカー?)によって異なってくる(ロジックはオーソリティにより決められているのかも?)ようにも思えます。

ガラポンTVさんとしては、基本的には、IPv4用のWiFiルーターの設定方法までを解説して、今日のようなIPv6への移行期であるIPv4 over IPv6の利用などは、ネットワークに詳しい人は自分で研究してもらうとして、一般ユーザーへは、P2P接続+本体レンタル+設置サービス、を月額サブスクリプションで提供するサービスを開始しています。正確に言うと、ポート開放が自動でできない、そこで、手動でやろうとしたがそれもできない、その場合、P2P接続を用いる、との順番になります。

ガラポンTVさんもQ&Aで書かれていたと思いますが、P2P接続は、どうしても反応が鈍くなります。ディーガのiPhoneアプリはP2Pだと思いますが、画面が映るまでの待ち時間が非常に長くてストレスを感じるように。ガラポンTVを、ここで紹介しているようにポート開放で使用すると、非常に快適にサクサク反応します。

3. まとめ。

まとめます。
ガラポンTV六号機が、サービスをワンパックにしたレンタルにより提供されるのは、サービスの品質や信頼を維持するためにとても良いプランだと思います。しかし、その一方で、参号機、四号機、伍号機の中古品(※2)がある、あるいは自宅で眠っている、そんな状態が、ネットワークやルーターを変更した時に発生した、でも自分としてはどうすることも出来なかった。そんな困った事があるある! ここに来て、周りの環境が整ってきたので、それらを再活用させることが出来るだろう、と感じます。

※2:レジストリーキーが解除されている必要があります

昔はルーターは25,000円〜30,000円していました。今は、性能が格段に上がっても5,000円程度で買えるようになっています。ここで、旧式のガラポンTVを10,000~15,000円、2TBHDDを10,000円、合計25,000~30,000円。ちょい前のルーターを買い替えるのと同じコスト。この非常にユニークな商品を入手して体験する、あるいは勉強に終わったとしても、そんな損はない、と感じます。

私の場合ですが、もしガラポンTV参号機が壊れたら、多分、旧式の参~伍号機で一番安いやつを買うと思います。

参号機は、音声変換が必要な場合がよくあります。しかし、過去の出来事を今見る、ということ自体、切羽詰まった状況の中にいることは稀、すると変換の待ち時間はあまりストレスにはならないものなのです。数分で変換されますし、変換されたら、そのまま再生が開始されるというのも気が利いています。

そうそう。ガラポンTVがガラクタになってしまった理由に、故障、特にハードディスクの故障などがありますが、自分で交換に挑戦した方がいらっしゃいます。これも楽しい作業かも知れませんね。→「ガラポンTV参号機のハードディスクを自分で交換する。」

またいずれ、ガラポンTVの具体的な活用例、WiFiルーターのガラポンTV以外の活用例など、紹介できればと思います。

ご参考になれば幸いです。

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