Cubaseのフォルダトラックは、オルゴールと油絵を見ているように美しく楽しい。。

ITのテーマも面白いのですが、今回は、音楽制作にまつわる話をしたいと思います。

まず、音楽動画をご覧ください。

字幕情報を全行表示します(クリック)

(00:00:00) Cubaseで曲を再生してみる。
(00:00:02) すぐに音が出ます。
(00:00:11) Cubase12を使っています。若干古いバージョンです。
(00:00:19) 今回は、技術的な解説は殆どありません。
(00:00:26) 表示しているのは、Cubase12のフォルダトラックです。見た目、巨大なオルゴールです。
(00:00:33) フォルダトラックを作って、その中に、個々の音源トラックを入れます。
(00:00:38) そのフォルダトラックをクリックして表示しています。
(00:00:42) タイミングのズレや、面白くない音があれば、すぐ発見できます。
(00:00:49) 実際、この49秒の地点ですが、この付近の音の構成を、手直ししたいと悩んでいます。
(00:00:59) 最近、AIが作曲をするようですが、個性的に作るのは困難でしょう。
(00:01:09) 例えば、ある一部分を、惹きつけるようなコードに変えたいと思っても。
(00:01:24) そのコードを調和させるために、前後のいくつかのコードや旋律を変えたくなる。
(00:01:35) しかし、そうした変更をしても、その一部分は、手直しされたのが丸わかりになってしまうでしょう。
(00:01:58) そのうち、そうした変更は面倒になって、AIから出力されたもので納得するしかなくなるでしょう。
(00:02:14) 少しずつでも、自分で演奏してみる。演奏が難しければ、自分で打ち込んでみる。
(00:02:25) とにかく、なかなか思い通りに、表現できるものではありません。
(00:02:38) 前の日、夜、興奮気味に作った曲を、翌朝、聴いてみる。
(00:02:45) 大抵、なんてひどい出来だろう、と思う。また、それを直す。その繰り返し。
(00:02:56) 趣味ならいい趣味です。ヒマを持て余すことがなくなると申せましょう。
(00:03:09) この曲は、草原の暮らしを表現しようとしています。自然は厳しいですが、植物や動物に囲まれて楽しい生活が続く。
(00:03:32) 非常にチマチマと根気のいる作業ですが、まあ自分向きの趣味だと思います。
(00:03:41) 以上です。ありがとうございました。

フォルダトラックの中身を表示して、本当に沢山のノートを書き込んで曲が出来上がっていると我ながら感心します。私は、一曲作るのに少なくとも1ヶ月はかかります。

1 見てるだけで楽しいDAWの動き

Cubaseのような音楽制作アプリをDAWと呼びますが、DAWは、大きなオルゴールです。原理的には、簡単な仕組みです。何回も聴き返しながら、コツコツと音を増やしていく。油絵のように幾重にも音を塗り重ねていくわけです。そう考えると、高齢者にも楽しめるし、認知症予防にもなるはずなのですが、何か敷居が高過ぎるわけです。なんとかならないものですかね。

このオルゴールにプロットされたノートと動作を見ていると、その図形がモナリザか何かに見えてくるような、とても不思議なワクワク感があります。

2 山や草原が持つ魅力

さて、今回は、左脳的な技術的な話は殆ど抜きにして、右脳的な感覚的な話でいきます。
今回の新しい音楽素材は「草原の家」と題しました。イメージとしては以下です。

『草原にある一軒家、動物も家族の一員、ニワトリはヒヨコを連れてコケコッコー、ピヨピヨと家を回っている。犬も元気に駆け回る。草原では馬が駆け回る。日中は、こんな賑やかな明るく楽しい生活。夕方になり作業もひと段落、今日の無事を夕陽に感謝する。やがて夜の静寂、深く輝く星空、ふとした寂しさを感じることもある。色々な夢も見る。やがて夜が明けてくる。』

3 作る気になった二つの動機

今回久しぶりに、音楽制作に向かわせてくれた動機が二つあります。

一つは、大自然への憧憬
最近、テレビを観る時間が激減しました。報道番組やEテレは観ますが、バラエティ番組を、まず殆ど観なくなりました。芸能人がビデオを観て楽しんでいる様子をこちらが観ているような番組は、あまりにもつまらなくて、もう観なくなりました。そんな中でも観るバラエティ的な番組が2つあります。
それが「ポツンと一軒家」「ヒロシのぼっちキャンプ」です。自然に囲まれた生活を続けると人間も心が洗われて素朴になっていくように思います。マイナスイオン、フィトンチッドの効果ですかね。

二つは自然を理解しようとする本能
一歳になったばかりの孫が、カタコトを話し始めました。
「ぱっぱ」「ぱっぱ」と話します。孫が認識する「ぱっぱ」は、畑、草原、雑草、木々、花。そういった植物全般を見ると、指差して、何でも「ぱっぱ」と大きな声で呼ぶのですね。
何とも不思議に感じます。動物、人間、おもちゃなどの植物以外を「ぱっぱ」とは呼ばないのです。その区別はどうしてできるのか。とても不思議に感じます。

4 驚いた音楽制作環境の変化、そして大切なこと

いずれにせよ、私が恵まれているのは、音楽制作は、義務や約束のない、気楽な趣味であることです。

今回、久しぶりにCubaseを触り始めましたが、改めて、音楽制作の環境の変化に驚いています。音楽制作を職業にしている方には、大変な時代が来たと感じるところです。AIによる作曲が凄まじく成長していること。おそらく、音楽制作の単価というか付加価値は、激しいデフレーションの最中にあると思えます。改めて、優れた作品はどのように産まれるか、その原点をしっかりと見つめる意味で、この二人の天才を取り上げておきます。もちろん素晴らしい作曲家は他にも数限りなくいますが。

Antonio Carlos JobimとIvan Linsです。

それぞれのYouTubeですが、作曲した本人が、ポロンポロンとピアノ1台で演奏しているところに、アクセサリーを削ぎ落とした本質が現れています。甘く切ない和音の極致、この2人の表現力に勝る人はいないと思います。

歌とピアノだけの非常にゆったりした演奏です。古い収録です。また、演奏以外の会話の部分も多いので、先にシフトして視聴されたらいいです。

Jobimの「Passarim」

IvanLins&Chico Buarque、Leila Pinheiroの「Renata Maria」

稀代の天才の二人の凄さを感じながら、コツコツと、ギターほかで音を拾い、曲の手直しを続けます。

5  Apple Intelligence(ChatGPT)が、音楽制作アプリの設定をやってくれることを期待。

2024WWDCでAppleは Apple IntelligenceというAIの導入を発表しましたが、Appleはハード&ソフトを一体として開発している長所として、この Apple Intelligenceを、そうした一体的全体に適用することができることにあります。つまり、「必要なものを探してインストールして動くようにしてくれ」あるいは「既存の音源を動くように設定変更してくれ」と指示することができるようにする可能性があります。これは、音楽制作(DTM)をする人にとって待望の進歩です。音楽制作にとって一番面倒なのは、ハードウエア、DAW、音源ソフトを、環境に合わせて設定変更させていくことだからです。ChatGPTは最新までの知識はありません。最近の状況では半年前まで遡及できましょうか。ですので、安全を見て、Macの音楽制作環境は周回遅れ、つまり、「1年遅れのOS、1年遅れのDAW、1年遅れの音源ソフト、この3点とも1年遅れの環境にて、 Apple Intelligenceに環境設定をさせる」。それができそうです。このアプローチであれば、2年前、3年前と古い環境でも、というか古い環境の方が得意かもしれませんが、要は、長く使い続けることができるようになりそうです。最新の知能を利用して、古いものを安く長く使う。そんな状況を待望します。

以上。

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