アマチュアとして、自作音楽を、どう格納し公開するか、考えてみた。

最近、音楽業界はクラウド化ストリーミング化の流れの中で改革・再編が進んでいるが、その中で純朴なアマチュア音楽家は、居場所を失っていくように思えてきた。今後、こうした音楽などのマルチメディアの発信を、受信ではなく発信を、どのように行っていったらいいか、考察してみたいと思う。


アマチュア音楽家の投稿サイトとして今や老舗となったSoundCloudを使っている。3時間=180分まで無料だ。私は現在43曲アップしており、1曲4分として172分程度使っているだろう。あと数曲で、おそらく無料の制限を超える。そこでSoundCloud Proへ切り替えた。年間63USD=約6,500円=約550円/月になる。

経過を振り返ってみよう。

最初は無料で。でも、「無料」がずっと続くことは、あり得ない。

プレーヤーズ王国_2003-2009

プレイヤーズ王国

2003年頃から始まった無料の「プレイヤーズ王国」。音楽制作を虜にしてくれた貴重な存在。私は、ナマケモノで飽きっぽい性格だが、なぜかこの音楽制作の趣味は、振り返れば10年以上続いている。これは奇跡である。
しかし、プレイヤーズ王国を引き継いだ「My Soundユーザースペース」は、決して錆びついたわけではないのに、人気があるはずなのに、2009年に終了した。苦しかったんだ、無料のままで、社員に給料を払い続ける事は。。。良く分かった。

前の経験が生きる。だから、何でも経験しておくことが、とても大切。

muzie2

muzie

一旦、音楽制作の趣味の火が消えかかった。しかし三度び、海外駐在員となった。治安の悪い中、インドアでの余暇を充実することが、メンタルヘルス上不可欠であることは分かっていた。まさに常夏「インドネシア」での「インドア」は大切だった。前の経験がモノを言った。とっかかり、入り口が難しいとされる音楽制作を、再出発することが出来た。

SoundCloudを優先しながら、日本のサイトをサブにしようと思った。

クレオフーガ

クレオフーガ

2011年頃の話だ。
インドネシアでは、YouTubeやSoundCloudは、なんとかストレスなく使えるスピードが出る。日本のサイトは、海底ケーブルの制約からか、重い遅い、頻繁に止まる。要は、相対的に、欧米のサイトは速く、日本のサイトは遅い。なので、ドイツのSoundCloudを優先しながら、日本のmuzieなどのサイトをサブ的に使う方法が適切だった。

日本のサイトはmuzieを使うことにした。しかし、埋め込みプレーヤーがなくブログで使えない。だから、もっと良いところがあれば、すぐにでも移転しようと思っていた。

OK musicも調べてみたが、ここは、muzie同様、埋め込みプレーヤーなし、.jpであるのに加えサイトが凝りすぎのせいかmuzie以上に重い重い。とてもインドネシアからでは実用に耐えなかった。

2014年頃、クレオフーガを紹介いただいたので調べてみた。日本のサイトの中では一番スピードが速く感じた。 無料、1曲10MB以下で曲数の制限なし、JASRACの包括契約がありカバー曲も可、埋め込みプレーヤーが使える、ただし曲の差し替えが出来ないのはデメリット。

まあまあのコンディションだったのでmuzieからクレオフーガへ引っ越した。その後、2015年3月、駐在を終え帰国。

投稿サイトは商売っ気が強すぎる。貼り付けプレーヤーが使えるだけでいい。

最近の巷のブログやホームページをご覧になって、どう、お感じだろうか。
山のような広告の中に、ひっそりと本文が隠れている。中には、ページ全体の中で本文は数行、あと全部広告といった、そんなブログが珍しくない。
行き過ぎていませんか。
稼ぎたい本心を見せつけられ、実に不愉快に感じる。これは私だけだろうか。
どこがどうとは言わないが、音楽投稿サイト、特に日本のそれは、ごちゃごちゃに入り乱れていて、私のように60歳を超え老人に差し掛かってくると、見るだけで疲れてくる。
サイトは借用するが、他の人にそのセンスの悪いサイトを見ていただくことは気が進まない。貼り付けプレーヤーだけを、自分で作ったブログに貼りつける。限られた人にだけコメントする。これだけでいい。疲れるごちゃごちゃサイトは、遠慮したいのである。

アマチュアとして、広告の渦に巻き込まれず、いかにクリアに発信を続けるか。

音楽クラウドサイト

大手の音楽クラウドサイト

完全にプロの人たちは、所属するなり契約した会社のセンスのいいサイトから作品は拡散され販売されていくだろう。果たしてそのプロのサイトにアマチュアが入り込むことは出来るのだろうか。

最大手のApple music、私は未だにここへ、無料のアマチュア作品を投稿する方法がわからない。Spotifyもどうなるのだろう、プロが作成した販売目的の作品に交じって無料のアマチュア作品が肩を並べてストリーミング配信できるのだろうか。よくわからない。
Amazon music、Google play musicはどうなのだろう。
このプロアマの混成体としてSoundCloudは独特な存在で、あまり商業主義に染まらず坦々と来たが、最近、経営が厳しいと伝わるが。。

SoundCloud身売り!?真実味はどう。。
つい最近、有料契約したばかりなのに。。

ま、そんなに悲観することもないか。
ピンチはチャンス、復活復活!! 頑張ってちょうだい。

社会問題とも隣り合わせ

そうですね。現実は厳しい。

アマチュア音楽家がオリジナル作品を有料化、販売したい場合は、今や非常に簡単になっている。tunecoreを利用すればいい。1曲1,410円/年を支払うことになるが、簡単にApple musicなどへ登録できる。誰でも出来るようだ。売上が伸びるかどうかは作品次第。

プロになるための敷居が低くなり気軽になり、よりイージーな環境へと変革が進んでいることによる弊害が現れている。楽曲の販売単価がタダ同然となってきた問題がある。専門性や個性に磨きをかけず、日銭を得られればよしとする、あるいはそうせざるを得ない現実がある。これらはある種の社会問題として、いずれ別の投稿で考えてみたい。
しかしここで言いたいのは、その変革の狭間で、販売とは無縁な、無名で純朴なアマチュアは、商業主義の雑踏の中で、踏みつぶされそうで、行き場を失いそうである、それを懸念しているのである。

合法な配信であること。

ただ、単に音楽や動画を発信したいというだけなら、なぜ、大袈裟に大手の音楽動画クラウドを使おうとするのか。自分でサーバーを立てる、借りているWebサーバーに音楽動画をアップして発信する、Dropboxのようなクラウドを使う、そうした方法があるではないか。との声が聞こえてきそうである。実にいい質問である。

それは、著作権の所有やその扱いについてオフィシャルな認証あるいは評価が得られているか否か、という問題である。自分が勝手に発信した場合、それが他人の著作権を侵害していないか、公序良俗に反していないか、実は全く分からない。後になって警察の厄介にならないようにしたい。だからこそ敢えて、大手の音楽クラウドへ投稿することにより、容赦ない削除措置、クリエイティブ・コモンズの取得、JASRACのチェック、視聴者からの指摘や批判、といったフィルターを通す、つまり監査に合格したい、お墨付きが欲しいわけだ。

作品の有料無料を問わず、マルチメディア全体を、どのように扱えるようにしたいか。

多くの人がやりたいことは、こういうことなんだと思う。
つまり、自分の求める曲やメディアを探しに、Apple, Google, Amazon, Soundcloud, spotify と旅をして、探し当てたものの中から、さらに気に入ったものを抽出し、自分の音楽プラットホームへ登録する。ダウンロードまでしなくても、ストリーミングでいい。要はシームレスに、AppleだとかGoogleだとか意識することなく、再生が出来ればそれでいい。
そう。はっきり言おう。AppleかGoogleか、そんなことはどうでもいいのである。
そのカタマリが自分のメディアである。この自分のメディア利用支援会社に対して例えば月500円程度支払う。面倒なことが苦手の一般消費者としては、そのようにシンプルであって欲しいのだ。

そこから自分がプレイリストを作って管理する。そのプレイリストの中には、動画も音楽も、プロの作品も、アマチュアの作品も、自分のオリジナルも、全て一緒に存在できる。さらに、それらのうち、自由に扱っていいとされる、例えばクリエイティブ・コモンズの認証を得ている作品については、自分のブログにリンクを掲載し広く紹介する。そうなればいい。

やはり、YouTube SoundCloudに期待したい。

出来ればその自分のメディア利用支援会社は、日本ではなく、.comなどワールドワイドな展開をしている会社に期待したいと思う。
音楽には、特にインストルメンタル音楽には国境はない、絵を見るのと同じ、世界中どこの誰にも感じてもらえる、そのはずなのに、日本国内のサービスは、ガラパゴス化したがる。海外から日本へ入り込んでくるサイトはたまにあっても、日本から海外へ出ていくサイトなど殆どない、結局、日本のサイトはサラされていない、揉まれていない、温室育ち、そこが根本的な問題。
例えばYouTubeやSoundCloudのような、アマチュアリズムの尊重があって、抱え込みではなく壁を破壊する方向にあって、その上で商業利用の道を開いているような会社が望ましい。

音楽を投稿公開するのにもオペレーションコストは掛かっている。従って無料で提供されるとなれば広告の混入を拒否できないし、広告なしは有料と決めつけても、それはそれで構わない。

まとめ

  • 投稿し公開される音楽などのメディアは、合法と確認するためのフィルター、監査、お墨付きを得るために大手音楽クラウドを、その通過点として利用するのが望ましい。
  • 乱立する音楽等のマルチメディア・クラウドだが、まるで昔の秋葉原電器店街である。ならば秋葉原駅を作って欲しい。そして秋葉原駅を起点に各店を総ナメするツアーが欲しい。
  • 求める姿は、「広告の有無がはっきりと分かれた世界」。自分のブログは、基本的には広告は入れたくない(時々記事の内容に企業やサービスが登場するのは仕方ない)。ブログ本体を広告なしにすることは出来る。ただし、それだけではなく、掲載する音楽や映像などメディアについても、私のブログを訪問している人に限っては、広告をカットするプラグインなどを利用しなくても(プラグインの排除が進んでいますが)、広告が混ざらないようにしたい。例えば私のブログへ貼り付けたYouTubeをご覧になる方は、そのYouTubeの中で広告が流れて欲しくない。私のサイトから怪しいサイトや押し売りサイトに飛ぶようなことは無いようにしたい。果たして、完璧に、そんなことができるのだろうか・・。instagramからイメージの合う写真を拝借する場合は、時にはカメラ屋や芸能人のPRに協力することになるがその程度は許容してもらいたいのだが・・・例えるならNHKのようにしたいのである。NHKの番組を見ていて突然CMが流れてくるということはないのである。但し、そうした環境を作り込み維持するために、何らかの費用が発生するなら、それは私が負担するしかない。ただ誤解なきよう、私はビジネスを否定するものではなく、分離独立した形にしたいのである。