はじめに
前回、生成AIを活用したコード生成システム(第2弾)をご紹介しましたが、今回はその仕組みをさらに拡張した「第3弾」のお話です。 AIとの高度な対話メモや、Webで見つけた有益な情報、日々の備忘録を、いかにして無駄なく・手間なくNotebookLM(あるいはカスタムGem)の知識ソースへ送り込み、自分のAIを賢く育てていくか。今回は、その「終わりなき進化のループ」を全自動で回す、私なりの最強インフラをご紹介します。
考え方としては、自分にとっての全ての分野を網羅するNotebookLMを一つ持って、なんでも相談できる相手に育てたいというところです。
1 現状の課題:AIの知識ソース管理の壁
NotebookLMやGeminiなどのAIエージェントに自分専用の知識を持たせる際、直面するのが以下の壁です。
- フォルダごとの登録ができない: Googleドライブのフォルダを丸ごと指定して読み込ませることができません。
- ソース数の上限: メモを1件1件テキストファイル等で追加していくと、すぐに上限(現状はNotebookLMで無料版は50個など)に達し、ナレッジベースが「ゴミ屋敷化」してしまいます。
- 「メモに保存」機能の弱点: AI側の標準機能でメモを保存すると、AIの回答だけが残り、「自分がどのような前提条件や問題意識で質問したか」という文脈が欠落しがちです。
2 解決策:ローカルの「note_sum」フォルダを起点とした全自動・製本パイプライン
これらの課題を解決するため、私は「手元のMacでメモを保存するだけで、裏でシステムが自動的に複数のメモを束ねてGoogleドキュメント(Gdoc)化し、AIへ同期する」仕組みを構築しました。
① 作成とトリアージ(選別)はローカルで
AIとの対話で「これは残したい!」と思った瞬間、自作の『Gemini/ChatGPT連携_要約保存Mac用スクリプト』を使って、まずは「要約+本文」のテキストファイルとして一時保存します。 そして、後で時間があるときに「本当にAIの知識に組み込む価値があるか」を判断(トリアージ)し、有益なものだけをMac内の指定フォルダ(note_sum)へポンと放り込みます。
② 常駐システムによる「自動製本」
note_sum フォルダにテキストファイルが入ると、バックグラウンドで待機している監視スクリプト(watcher_note_sum.py)が自動検知します。 システムは、フォルダ内のテキストファイルを更新順に並べ替え、目次を自動生成し、1冊につき当面は30個のメモを収納した分厚い「備忘録まとめ」へと束ねていきます。
③ 「聖域」の固定ID・Gdocを上書き更新
システムは、新しくファイルを作るのではなく、Googleドライブの絶対に動かさない場所(cannot_moved/gdoc_imakat/)にあらかじめ用意しておいた当面10個の「空のGdoc」の中身だけを、APIを使って丸ごと最新の状態に書き換えます。
3 このエコシステムを導入するメリット
- 操作の手間がゼロ: ファイルのID自体は変わらないため、NotebookLMの自動同期機能が完璧に働き、私が何もしなくても勝手にAIの頭脳が最新の備忘録にアップデートされ続けます。
- いつでも思考の続きからスタート: 過去の深い考察やトラブル解決の文脈がAIに共有されているため、久しぶりにそのテーマを扱う際も、前提条件を説明する手間が省けます。
- ゴミ屋敷化の防止と断捨離の連動: ローカルの note_sum フォルダから不要になったtxtファイルを削除すれば、システムが即座にGdoc内を丸ごと書き直すため、AIの知識からも跡形もなく消え去ります。「ローカルのフォルダ整理=AIの脳内の整理」が直結しています。
おわりに
システムが自動で行うべき「面倒な処理(Gdoc化と同期)」は裏側のPythonとLaunchAgentに完璧に任せ、人間は最も重要な「トリアージ(選別・移動)」だけを行う。これこそが、人とAIの完璧な役割分担だと感じています。 最大300件の備忘録を全自動で受け入れるこの「特大の本棚」に、これからも様々な有益な情報を追加して、AIの考察レベルを限界まで引き上げていこうと思います。
以上



