以前、競泳選手の名前のユニークさをテーマにしたブログ<我がヒーロー「ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド問題」を再度考える>を執筆しました。その際、脳にこびりついていた一つの疑問がありました。
それは、「本当は誰の名前が一番長いか?」。この問題でした。
1 どんな名前があるのか調べてみる。
2023福岡世界水泳をテレビで見ていたら、ちょっと種目は忘れてしまいましたが、えらい長い女性選手の名前がテロップで表示されました。
その時、私の頭の中で、「あれ!ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンドより長いかも。」と気付きました。胸騒ぎがしてきました。さて、一体、アナウンサーが、どのように紹介するか聞き耳を立てていたのですが、つゆぞ、あにはからんや、選手紹介からレースが終わるまで、一度もこの選手の名前を口にすることがなかったのです。まあ、確かに、たまたま、着順が遅くて目立なかったので割愛されたということでしょうか。アナウンサーも内心、ほっと胸を撫で下ろしていたに違いありません。
その後、この胸騒ぎがおさまることはなく、眠れなくなりそうなので、早速調べることにしました。
SwimSwamという米国のサイト、これは水泳界では世界で最も読まれているサイトと評されていますが、この関連リンクにエントリーブックがあります。
具体的には、
SwimSwamの2023世界水泳の特設ページ↓
この中に、エントリーブックがあります。↓
https://swimswam.com/wp-content/uploads/2023/07/ENTRIES_BOOK.pdf
2 「長過ぎる名前」バトル
はい。それでは十傑を発表します。
ちなみに、全競泳選手の中から、男女無関係、種目無関係に選びました。
名前の文字を眺めながら、この長さなら超長い、そのように感覚的に、上位と思われるものをピックアップしながら10人に絞ったため、残念ながら正確に文字数を計算しながら選んだわけではないので、間違いがないと約束はできませんので了解ください。
優勝 RODRIGUEZ VILLANUEVA Byanca Melissa(ロドリゲス・ビラヌエバ・ビアンカ・メリッサ)さん メキシコ🇲🇽
3 日本人が、メダルを獲るのは至難の業。
そのように結論づけていいと思います。
テレビ画面で表示されるリストから、日本人を探すのは簡単です。何故って?第一に日の丸旗が目立つ。それとあと一つ、日本人の名前はローマ字にすると大抵、短いから。実際、長い方の松元克央”MATSUMOTO Katsuhiro”ですら18文字です。(パチパチ)
ちょっと待って!
そこ?そこか?言いたいことはそこなのか?
違うでしょ。
はい。違います。
深呼吸していいですか。
そろそろ言おうかな本当のこと。
4 「名前バトル」に負けるとも、永遠なる我がヒーロー「ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド」
実は。
ここで私たちは、見たくも聞きたくもない驚愕の事実を突きつけられることになるのです。
これまで何十年も、長過ぎる長過ぎる、長過ぎることの思いを大事に大事に守ってきた牙城が崩れることになるのです。
<衝撃の事実>
「我がヒーロー、「ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド→Pieter Van den Hoogenband 」は登録文字数では22文字。これでは、どう見ても、「名前バトル」は予選落ち。準決勝には残れない。」
残酷にも突きつけられた、この「2023世界水泳 長過ぎる名前バトル 十傑」。金メダルは”RODRIGUEZ VILLANUEVA Byanca Melissa (メキシコ)”の32文字。素晴らしい記録!ロドリゲス・ビラヌエバ家のビアンカ・メリッサさん。彼女は平泳のメキシコ国内記録保持者ですね。↓
お見事としか言いようがないです。
「ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド」さんは無念にも惨敗です。
しかし。。涙を拭こう。
堤防に行ってだ。沈む夕陽に向かって叫ぼう!!
そう。
名前の長さがなんだというのだ。2000年シドニー五輪、オーストラリアに乗り込んで、世界新記録で、開催国のスーパースターであるイアン・ソープをねじ伏せた「ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド」の偉大さと憧れは、いささかも傷つくことはないです。「ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド」を脳裏に刻みたい一心で、多くの日本人がその名前を懸命に覚えようとしたあの日の輝きは、決して消え失せるものではありません。
5 エントリー名を短縮してスタート名を作っている問題
さて、気を取り直して、もう少し調べてみます。
彼女は、女子100M平泳予選のスタートリストでは第3組3レーンに登場していますが、名前が”RODRIGUEZ VILLANUE”と表示されていました。松元克央さんに例えれば、”MATSUMO”で切り落とされたような感じなのでしょうか。ひどくない?
こうして「競技会の裏側」を覗いてみると色々、悲喜交々、問題が起きているだろうなと想像出来るわけですね。エントリーリストに登録した名前の通りに、スクリーンに表示されるものと思うじゃないですか。ところがそうじゃない。召集の時、スタッフはスタートリストに基づき名前とレーンをコールするのですが、スタッフも読み方が分からないだろうから書類を見せて確認するでしょう。選手は招集室の中で、初めて、その中途半端に切り捨てられた表示名を知ることになるわけですね。いやあくまで私の想像。たぶん、規則の中で、スクリーン表示名は任意の文字数で切り捨てることがあることの了解が規定されているとは思いますけど。
予選の様子はメキシコにも放送されていると思うので、メキシコ国民はどう感じるのでしょうかね。
個人的に思うことは、こういう所に、AIを活用して、全世界の言語や名前の構造の特徴に基づいて、短縮型の名前を生成するようにしたらいいと思います。但し、短縮型の本人確認と修正受入は必要でしょうね。
6 <まとめ> 日本人は、旗も名前も、目立つ存在
こうして考察してきて、改めて再認識することがあります。
それは、「日本人は、印象に残りやすい。記憶に残りやすい。」ということです。
下に、擬似で世界大会女子200M平泳のスタートリストを書いてみました。
やはり日本が一番、目をひきますね。
文字数が多いと、ぐちゃぐちゃしているので凝視しなければならず、時間もかかり、疲れるので、読みたくない。それに対して、文字数が少ないと、目に優しい。パターン図形として脳に焼き付く。疲れない。
今井月(IMAI Runa)さんに限らず、日本人の文字数が少ない状況は、今後数十年間は維持されるでしょう。それに対して、最近、中近東、東南アジアからも選手が増えていて、概して名前の長い国が多く、文字数は増加の方向にあると言えます。
日本人が持つ、国旗の単純さ、名前の短さ、体の小ささ、などの特徴は、人の記憶に残るものと申せましょう。
体の大きさについては、日本人の体格はかなり大きくなって差は縮まっていますが。
ただまあ。このテーマ以前の問題で、決勝に残れる日本人選手が、どんどん減少してきているように感じます。こうなってくると、いよいよ水泳も、一週間ぶっ通しで生中継を担いでくれるテレビ局は無くなるかも知れませんね。
最後に、
2023年世界水泳 長過ぎる名前バトル
RODRIGUEZ VILLANUEVA Byanca Melissa(ロドリゲス・ビラヌエバ・ビアンカ・メリッサ)さん、優勝おめでとう!!🥇